火防開運 秋葉三尺坊大権現

鎮防火燭の秘呪と護符を捧げ、永く圓通寺の鎮守を誓う

誓海義本自刻の三尺坊

 秋葉大権現は火の神様として敬われ、「火防守護」その他七難を除き、除災開運、家内安全、授福繁栄の神様でもある。
  熱田神宮の秋葉社が草創である圓通寺は、室町期に誓海義本を開山に迎え曹洞宗として再興された。開山の高徳を慕って多くの修行僧が集り、その中に秋葉三尺坊が僧形と化して十有余年間修行した。

 旧暦十一月十六日夜半、ついに印可証明を受け仏祖正伝の法脈を授けられた。その時、歓喜のあまり、狗賓の正身(天狗僧形の姿)を現わし、「鎮防火燭」の秘呪と護符を捧げ、永く圓通寺の鎮守を誓ったといわれる。そのため、お札は白狐に黒衣の僧形である三尺坊の天狗が立っている姿である。

 開山より「羽休」の道号を授けられた三尺坊は、境内に霊松一株を植えて姿を隠した。これによって「秋葉三尺坊」は「羽休三尺坊」とも称されるようになり、十二月十六日(以前は旧暦十一月十六日、三尺坊が開山より印可証明を受けた日)の大祭には大祈祷会が行われ、夜には勇壮な火渡り神事が境内で行われている。

本尊釈迦木像
行基(668−749)作。
小松宮彰仁親王の大額
文政7年(1824)の再建帳
萬治元年(1658)の縁記
(愛知図書館蔵書)
明治34年(1901)の篝火講設立緒言
昭和30年の再建寄進帳